ザビエルはハゲていなかった!?
「ハゲ」というワードを受けて「ザビエル」を想像する人、少なくはないと思います。思えば小学校の社会の時間、教科書に載っているフランシスコ・ザビエルの写真の頭頂部を見て大笑いしたものです。
…今はすっかり笑えませんが。 しかし、あのザビエル、実はハゲていたという訳ではありません。
では一体なぜあの髪型なのでしょうか?
あの髪型は宗教上の理由によるもの
実はあの髪型、意図的に登場部が剃られているのです。 その名も「トンスラ」。 カトリック教会に所属する修道士の、「神様を身近に感じ、声を聴くため」の髪型です。
鉢巻をしている様な、わっかの形に髪を残し、それ以外の部分は全て剃りあげてしまいます。(私たちがよく教科書で見かけていた有名なフランシスコ・ザビエルの肖像画にはもう少し髪がありましたが、それについては後述します。)
トンスラは、1972年ごろに正式に廃止されました。
この髪型の詳しい由来は不明ですが、「磔となったイエス・キリストが、十字架の上で頭に被せられていたと言われる、いばらの冠をオマージュしている」「絶対に流行しなさそうな髪型にあえてすることで、世俗から離別する」という意味が込められている」などが有力ではないかとみられています。
つまり、あの肖像のザビエルはハゲあがっていた訳ではなく、意図的に髪を剃ったカタチだったのです。
そもそもザビエルはふさふさだったかもしれない
今まで私たちは学生の時、「頭頂部がつるつるの、あの肖像画の人物が、イエズス会に所属しているキリスト教の宣教師 フランシスコ・ザビエル」と習ってきました。
しかし、実はあの肖像画はザビエルが亡くなって80年ほど経った後に、日本人の絵師が描いたものなのです。想像に頼ったという説や、構図がヒエロニムス・ヴィーリクスという外国の人が描いたザビエルにソックリな為、それを参考に描いたものではないか、など様々な説があります。
トンスラの知識が乏しい日本人が描いたため、ザビエルは頭頂部の髪が剃られているものの、他の部分の髪は無事だったという訳です。 また、ヨーロッパで一般的なフランシスコ・ザビエルの肖像画は、なんと頭頂部に髪が生えています。
しかも、ふさふさなザビエルの絵は1枚ではなく、複数枚発見されています。このことから、ザビエルの頭頂部がふさふさ説はかなり有力です。>また、ザビエルが所属していたとされるイエズス会では、トンスラの習慣がありませんでした。その為、「ザビエルはそもそもトンスラではなかったのではないか」という見解も出ています。
もうザビエルなんて言わせない
いかがでしたでしょうか。これで今日から自分の頭頂部を「つるつる」と揶揄されても、しっかり反論することができますね。
そしていっそ信仰心は別として、頭頂部が気になる方はあえてトンスラにしてみるのも手かもしれませんね。もしかしたらトンスラが新たなブームとなり、その火付け役になるのはあなたかもしれません…