全員ハゲ!ハゲ頭のパラドックスとは
「パラドックス」という言葉を聞いたことはありませんか?
パラドックスとは、「一見正しいようにみえるけど、正しくない推論」をさします。(例えば、「ここに張り紙をしないでください!」という張り紙がされているとき、「矛盾」がうまれます)
パラドックスには様々な種類があり、有名なものとしてシュレディンガーの猫や全能のパラドックスが挙げられます。「矛盾」という言葉の由来もパラドックスの一種ですね。
そんな豊富なパラドックスの種類の中に、「ハゲ頭のパラドックス」というものがあります。
ハゲ頭のパラドックスとは
ハゲ頭のパラドックスとは、古代ギリシャの哲学者である「エウブリデス」が唱えたとされるパラドックスです。
「髪の毛が1本も生えていない人はハゲである」※前提1
↓
「ハゲに髪を1本足したところでハゲである」※前提2
↓
それから、前提2に、更に紙を1本ずつ足していき、 「つまり、全ての人はハゲである」※結論
という一連の流れを「ハゲ頭のパラドックス」と呼びます。
しかし、たとえ髪の毛が10万本生えていたとして、私たちの目には「フサフサ」に見えますが、「全ての人はハゲ」という結論を適用すると、矛盾が発生してしまうのです。
つまり、このパラドックスを利用すると…この世界にはハゲしかいません! 普段人をハゲ!と馬鹿にする人も、「ハゲ」ということになります。
他にもある様々なパラドックス
エウブリデスは、ハゲ頭のパラドックス以外にも様々なパラドックスを唱えました。数例をご紹介します。
砂山のパラドックス
「一粒の砂は砂山と言えない」
↓
「砂粒が二つでも砂山とは言えない」
↓
「砂粒をいくつ集めれば砂山となるのだろうか」
嘘つきのパラドックス
「私が今言っていることは嘘だ」と言う人の発言は、嘘か本当か
現在もパラドックスの研究が続いている
古代ギリシャのエウブリデスが唱えたパラドックスは、現代でも研究が続いており、パラドックスを解決する方法などが日々研究されています。
例えば、ハゲ頭のパラドックスの場合、「髪の毛が〇本生えたらハゲではない」と定義してしまえば、ハゲ頭のパラドックスは解決できます。
(他にも
- 多値論理
- 履歴現象
- 集団的合意
など、パラドックスを解決する方法は多数ありますが、難しい専門用語が多々ありますので、この記事では説明を省きます。)
エウブリデスは薄毛?
余談ですが、ハゲ頭のパラドックスを唱えたエウブリデスについて調べたところ… どうやら、彼も薄毛だったようです。
(画像:エウブリデスの画像に飛びます)
古代ギリシャの人たちは、薄毛に悩んでいたのでしょうか?だとしたら、エウブリデスも「この世界の人は全員ハゲ」と言いたくなる気持ちがわかります。
古代ギリシャを生きた薄毛の人たちはどういう扱いを受けていたかはわかりませんが、現代に生きていると、何かと薄毛で肩身の狭い思いをすることは少なくありません。
(例えば、先日の某議員による「このハゲ!」事件は記憶に新しいですね。)
もし薄毛で悩んでいる人がいたら、ぜひ「ハゲ頭のパラドックス」を思い出してください。ハゲ頭のパラドックスを応用すれば、この世に生きる人は全員「ハゲ」なのです!